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宮本みそ店 x SUBU| 後編〜失敗から学んで、ヒントを掴んで、より良くする。良くしつづけることこそ、ものづくりの醍醐味


富山県魚津市、昔ながらの製法にこだわった小さな味噌屋「宮本みそ店」


公式インスタグラム で SUBUを愛用していただいていることを知り、お話をお伺いしたくなって、宮本晃裕さんを訪ねました。


SUBUの使い方は人それぞれ。プライベートで使う方もいれば、仕事場で使う方もいます。ただ仕事場は何も、オフィスだけではありません。


宮本さんのように、温度管理が必要な蔵で、寒い季節に屋外で作業したり、履物を脱いだり履いたりしながら時には長靴になったり・・・と、作業内容や季節・場所によって、履物を履き替えたりしながらお仕事をされる方も沢山いらっしゃいます。


古き善き発酵文化の魅力とものづくりへの心構えを感じながら、お仕事の中で、どのようにSUBUを使っているかをお伺いしてきました。


まだまだ、SUBUが活躍する場面は沢山あるように思います。今後も色々なお仕事の方を訪ねながら、お話をお伺いしていければと思っております!


Information:@miyamotomiso / @bobo.gelato



 


記事前編 に引き続き)宮本さん、ここで少し「ものづくり」の方にフォーカスを当てて、お話をお伺いさせてください。


長年続けてきている「味噌づくり」はもちろん、新たにスタートした「BOBO. Gelato」も共通して、非常に丁寧に、真摯に、ものづくりに向き合っているように思います。どのような想いをお持ちですか?


まずは、主に味噌づくりをしていた祖母が亡くなるまで一度も、直接的に褒めてくれたことが無かったことが影響しているように思います。


僕の見えない所で実はこっそり、褒めてくれていた、ことが亡くなった後にわかるんですが、笑。


褒めてしまうと、そこで満足してしまって、ひとつの到達点になってしまうみたいな考えが、祖母にはあったのかな〜と思います。なので「ものづくりへの探究心」みたいなものが無くならないようにそうしてくれていたのかな、と。


より良い糀をつくるためには、何が必要か。

さらに味を良くするには、何が出来るか。


そういうことを常に考えつづけることが、味噌屋であり、ものづくりの仕事で、その「追い求める姿勢」だったり「学びつづける心」みたいなものを、祖母が教えてくれたように思います。


お米はどうしたら、もっと美味しく育つか。

違う品種のお米で糀を作ったら、どうだろう。

その糀で味噌を仕込んだら、どんな味かな。


正解がないんですよ、こういったお仕事には。


同じように仕込んでも気候条件などで、仕上がりは変化するので・・・正解を探しつづけながら、より良いものを目指していくことこそが、面白さであり魅力で、やり甲斐だなと考えています。





宮本さんのことをよくわかって、そうされてたんですね、笑


間違いなく、そうです、笑。


手を使って、一つずつ丁寧に仕事を進めることが、当たり前になっていて、機械を使えば楽に出来ることも、自分の手と身体を使って、五感でひとつひとつ確認しながらやっていくことが、染み付いています。


あと祖母は、自分で何でも出来たんですよね。


もちろん、味噌はつくれますし、庭木の剪定も出来れば、大工仕事も、お料理、裁縫や家事ももちろん・・・出来ないことは無いんじゃないかな〜って思ってしまうくらい何でも出来て、何でも知ってる。


率直に、すげぇ〜なって・・・


そして出来なかったことが、一つずつうまく出来るようになっていくのは、純粋に楽しいものです。



もちろん、最初から上手くはいかないから、失敗も多いですよね。


もちろんです、トライ&エラーの繰り返しです。


でもこうしたお仕事には、雨量や気温など、自分たちの手でコントロール出来ないことがいくつもあるので、ある種、エラーには寛容かもしれません。エラーが起きて当たり前みたいな。


他のお仕事では、エラーは怖いもので、減らすべきもので、エラーへのハードルが凄く高まってしまっていますよね。


その一方で僕みたいなお仕事だと、エラーは割と当たり前で、いかにそこから学べるか、次へのヒントをどう見つけるか、どう対処するか、が重要なので、そこは大きく違うかもしれません。






最後に少しばっくりとしたお話になりますが、自然環境と日々接しながらお仕事をされていて、何かこう環境の変化だったりを感じたりはされていますか?


一番強く感じるのは、日本ならではの「四季」が無くなってしまっているように思います。


過ごしやすい春と秋が無くなって、急に暑くなって、急に寒くなってが、しばらくずっと続いているようには感じていますね。


その急激な気温の変化は、発酵の進み具合を大幅に変えてしまう。


10年前くらいは、寒い 1月に味噌を仕込むと、稲刈りが終わる10月くらいに、ちょうどいい色合いの味噌が出来上がっていたんですよね。10ヶ月〜1年くらいを発酵期間にしていたんです。


でも今それだけ寝かせると、熟成味噌になってしまうので・・・今は「半年」とお伝えしています。



やはり、直接的に影響が出ますよね・・・


発酵期間が短くなっていくと、所謂、天然醸造の良さも失われていきます。


長い年月をかけて、ゆっくりと発酵が進んで、夏をピークにしながら、じっくりと美味しさを膨らませていく天然醸造本来の味わいが失われてしまうことには、危機感を感じますね。気温の急激な変化で、ボンっと発酵が進んでしまうのは・・・困ります。


何というか、気候の変化が急激で、極端になっています・・・


環境の変化は、そこを一番強く感じますが、こうした変化の中でも、変えることなく大切にすべき部分はしっかり大切にして、これからも「ものづくり」に向き合っていかなければいけないなと思います。


トライ&エラーをしながら、五感で感じながら、丁寧にものづくりつづけたいと思います。






WORD by gooth.inc




 


連載企画[SUBU25]とは・・・2020年を皮切りにスタートした連載企画。


この世に[SUBU]が誕生して5年が経ったその節目の年に、これからの「5年間」を見据えていくために活動開始。これまでの「5年間」を振り返りながら、これからの「5年間」に、どう繋げていくか、をこの活動を通じて、見定めます。


その一方、「トゥーゴー」という読み方には、[SUBU]と一緒に出かける、という意味も。単純に[SUBU]を履いて街に出かける、というのもそう、こうして、お話をしたことのない方の元へ出向く、というのもそう。もっと言うと、新しいコトへ、一歩踏み出して、チャレンジする、という意味も。これからこの連載企画を通じて、[SUBU]がさらに、魅力的なブランドへと成長していくことを期待して、活動していきます。







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