前回に引き続いて 2023 CONCEPT COLLECTIONについて、お話を聞かせてください。今年は [Tweed] と [Bumpy] という2つのシリーズが登場しましたね。それぞれについてまずは教えてください。
毎年発表するその年限定のコレクションが、CONCEPT COLLECTIONになります。
前回も少しお話をしましたが・・・Bumpy(バンピー)は4本ラインを使っていなくて、Tweed(ツイード)は4本ラインを使ってはいるんですけど、ほぼ見えなくなっています。Tweedは、ちょっと温かい感じのシリーズで、Bumpyは反面クールな感じのシリーズになっています。
どちらも共通で、4本ラインから脱却したプロダクトです。
バリエーション豊富ですね。それぞれどのようなプロセスを経て完成に至りましたか?
Bumpyは、この凹凸のある生地が特徴で、韓国で見つけました。
この生地自体は、一般的にアパレルなどで使用されるものですが、縦横にゴムの糸を使っているので伸縮性があります。触っても面白い感じですよ。
バンプには、“凹凸” とか “でこぼこ” という意味があるので、心が弾むような感じをイメージしながら開発を進めました。昨年の9月末くらいに、この生地を見つけた瞬間、直感的に「あ!面白そう!」と思って製品化しました。
一方、Tweedの方はどうでしょうか? ちょっと格好いい女性が室内で、これを履いているのをイメージしながら開発を進めました。
とはいえ・・・女性だけではなくて男性にも履いてもらえるかな〜とも思っています。僕は、AURORAに使っている黒のツイード生地なんかは、ジャケットとかにしても着れる感じがしてるんですね。ユニセックスとまでは言わないですけど、ボーダレスに楽しんでいただけるんじゃないかな、と。
AURORAで使用している生地には、スパンコールが入っていて角度によっては乱反射して7色に見えたりとか。
白いCLOUDBOWは、朝日が雲間から射しているような感じをイメージしたり、PRISMはその名の通り光線ですよね。光をテーマに、ネーミングしています。
新たな表現を加えるために、制作過程の中での苦労などはありましたか?
生地探し、の部分で少しだけ不安がありましたね。
これまではずっと中国の市場に足を運んで、生地を見つけていました。それがコロナ禍で行けなくなってしまって・・・生地探しが出来なくなってしまったんです・・・なので、はじめて韓国での生地探しになりましたね。
新たな国で、ゼロから手探りで生地探しをしたので、不安はありましたね。
でも、最終的には今までにはなかった “新しい気配” を纏った SUBUが完成しました。
Tweedなんかは結構、20代のモード層とは反対に、年齢層の高い方にも喜んでもらっていたりしますし、機能云々ではなく、直感的に “かわいい!格好いい!” と感覚的に理解してくれる方も多いです。
今年は、アッパー素材に特徴的な素材を使ったりして、表現の幅がさらに広がっていますね。これからの展開も非常に楽しみに感じます。
そうですね、まさに。前回冒頭の話に戻りますけど、4本ラインからの解放ですね。
まだ言語化している最中ではあるんですけど・・・こう機能に捉われ過ぎないというか、言葉にならない直感的な魅力を信じて突き進んでみるというか・・・ロジカルに、理論的にスマートに言語化できるものではないんですけど、その不確実性みたいなもので、もっと遊びたいなと。
理屈にならない直感的な部分を素直に、歓迎したいなと。
人にわかりやすく伝えよう、ちゃんと説明しようと、無意識に理屈を探している自分に気づいてしまって。でも、理屈無くして「面白い!美しい!」って、心を動かされる瞬間って確かにあるじゃ無いですか。
言葉に出来ない不確実性というか、不確実性の中に光はある、というか。パッと明るみに飛び出た感じです。
これからは “特別な日に履くちょっとラグジュアリなーSUBU” についても探求していきたい、と最後にお話をされていた府川さん(SUBUブランドディレクター)。より自由に、アグレッシブに、囚われることなく広がっていくSUBU。気が早いですが・・・早速、来年のコレクションが楽しみです!
/ Interview by gooth.inc
連載企画[SUBU25]とは・・・2020年を皮切りにスタートした連載企画。
この世に[SUBU]が誕生して5年が経ったその節目の年に、これからの「5年間」を見据えていくために活動開始。これまでの「5年間」を振り返りながら、これからの「5年間」に、どう繋げていくか、をこの活動を通じて、見定めます。
その一方、「トゥーゴー」という読み方には、[SUBU]と一緒に出かける、という意味も。単純に[SUBU]を履いて街に出かける、というのもそう、こうして、お話をしたことのない方の元へ出向く、というのもそう。もっと言うと、新しいコトへ、一歩踏み出して、チャレンジする、という意味も。これからこの連載企画を通じて、[SUBU]がさらに、魅力的なブランドへと成長していくことを期待して、活動していきます。
2020.12.28 連載企画[SUBU25]がスタート | 前編 / 連載企画[SUBU25]がスタート | 後編
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